国民生活センターは、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談が2008年度の36件から2017年度の1,177件へ30倍以上に増えたと公表し(2018年)、2020年にも2019年度2,684件と再度注意を呼びかけています。日本損害保険協会は「住宅の修理を業者と契約する前に、ご契約している損害保険会社または損害保険代理店へご相談ください」としています。
公表されている相談件数
| 公表資料 | 内容 |
|---|---|
| 国民生活センター(2018年9月6日) | 「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談は2008年度36件→2017年度1,177件。2017年度は契約当事者の75%が60歳以上。 |
| 国民生活センター(2020年10月1日) | 2019年度は2,684件で2010年度(111件)の約24倍。2020年度は8月31日までに1,445件。秋の台風シーズンは特に注意と呼びかけ。 |
| 国民生活センター(2023年10月11日) | 屋根工事の点検商法の相談は2022年度に過去5年で最多。アドバイスの一つに「保険金を利用できるというトークには気をつけましょう」。 |
件数はいずれも各資料の公表時点のPIO-NET登録件数です。最新の傾向は国民生活センターの公表ページで確認してください。
相談事例から見える4つの問題点
2018年の国民生活センターの公表資料は、相談事例からみた問題点として次の4つを挙げています。
- 自己負担がないことを強調し、契約の内容や手数料・違約金の説明が不十分
- 見積もりと違う工事をされたり、修理内容がずさんなこともある
- 保険会社にうその理由で保険金請求が行われている
- 屋根に細工をしたり、クーリング・オフをさせないようにしたりする悪質な場合もある
2020年の資料で紹介された事例では、業者の修理見積額が約400万円、解約時の違約金が「保険金の50%」とされていました。日本損害保険協会の注意喚起ページにも「当社で工事をしなかった場合は、保険金の4割を支払ってもらう」と言われて不安だ、という相談例が載っています。
保険金が出ないときに残るのは修理代金
日本損害保険協会は、保険会社に相談する前に修理契約を結ぶと「保険金が支払われずに修理代金を自己負担することになったり、解約しようとすると高額な解約手数料を要求されるなどのトラブルに巻き込まれてしまうことがあります」と説明しています。
火災保険で風災・雪災などが補償されるかどうかは契約内容によって異なり、損害が一定額に達しないと補償しない商品もあります(日本損害保険協会「風水雪災等による損害を補償する損害保険」)。「必ず保険が下りる」と言い切れるのは保険会社だけで、修理業者ではありません。
勧誘を受けたときの順番
その場でやること・やらないこと
- 屋根に上がらせない、その日に契約書へ署名しない
- 業者名・担当者名・連絡先・言われた内容をメモする
- 保険証券を出して、加入している損害保険会社または代理店に「この被害は補償の対象になり得るか」を自分で問い合わせる
- 保険金の請求は加入者本人が行う(日本損害保険協会「保険金の請求は、加入者ご自身で!!」)
- 実際の被害と違う理由で請求することには絶対に協力しない
- 契約してしまった場合は、クーリング・オフや解約について消費生活センター(188)に相談する
相談先・申込先の選び方
保険の対象になるかは保険会社・代理店、勧誘や契約のトラブルは消費生活センター、保険会社との話し合いがつかないときはそんぽADRセンター、と相談先が分かれます。修理業者を探すのは、保険会社に連絡して被害の状況を確認したあとで十分間に合います。
| 窓口 | 番号・受付(公式ページ記載) | 相談できること |
|---|---|---|
| 加入している損害保険会社・代理店 | 保険証券に記載 | 補償の有無、請求手続き、必要書類 |
| 保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル(日本損害保険協会) | 0120-309-444/月〜金 9〜12時・13〜17時(祝日・協会休業日を除く) | 「保険が使える」勧誘についての相談 |
| そんぽADRセンター | 03-4332-5241/月〜金 9時15分〜17時(祝日・休日・12/30〜1/4を除く) | 損害保険に関する相談・苦情・紛争解決 |
| 消費者ホットライン | 188 | 最寄りの消費生活センター等の案内 |
個別の契約が補償対象になるか、契約を解除できるかは、保険会社・消費生活センター・弁護士などの専門家に確認してください。この記事は公表資料の紹介で、個別の判断をするものではありません。
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参考にした公式情報(確認日:2026-10-12)
- 国民生活センター「『保険金を使って住宅を修理しませんか』がきっかけでトラブルに!」(2018年9月6日公表)
- 国民生活センター「『保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる』と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!」(2020年10月1日公表)
- 日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」
- 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-」(2023年10月11日公表)
- 日本損害保険協会「風水雪災等による損害を補償する損害保険」
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